kindle沼日記

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今期の近未来SFアニメががっかりだったこと

今期は比較的SFぽいアニメが多くていろいろ期待したんですが、個人的にはいろいろとがっかりするところも多い結果となりました。

SFの魅力は何かというと、私的には何か新しい技術が人々の習慣や常識を塗り替えていく感覚だと思うんですよ。特に近未来を描いた作品ではその期待感が強くなります。それは現実でも起こっていることで、例えば携帯電話の普及前と後では連絡手段が全然違う訳です。

新しい技術はそれまでの常識を駆逐していくので、携帯普及前に作られた多くの物語は、携帯普及後の世界では成立しません。推理物では密室が作りにくくなるし、恋愛物では個人の連絡が簡単に取れるので物理的なすれ違いが起きません。

そして近未来を描いたSFだと、携帯の存在自体が既にSFを越えている訳です。

 

過去のSFで個人用の通信機というと腕時計型が主流でした。ところが実際には携帯の出現で腕時計そのものがマイナーな存在に押しやられました。今の若い子だと一度も腕時計をしたことのない人も多いんじゃないでしょうか。

逆に携帯電話出現後のSFはそれを越えるものを生み出す必要があったのですが、多くのSFでそれを達成できないままスマホが登場してまたしてもSFは現実に敗北したのです。

 

ただ、すべてのSFが敗北していた訳ではありません。

機動戦艦ナデシコというアニメでは、携帯に代わる新しいツールとしてコミュニケという空間投影装置が提案されていました。それ以外にもいろいろとSF的仕掛けがちりばめられたよいアニメでしたが、スートーリーが尻切れトンボになっているのが惜しまれます。SF的仕掛けについてはほとんどセガサターン版のゲームで補完されているので、せめてアレだけども今の環境でプレイできるようにしてほしい・・・

電脳コイルではメガネ型のインターフェイスと仮想現実を組み合わせて効果的に使ってましたね。ただアレは作品のメインの仕掛けだし、それ以外はあえて近未来感を出さないように演出していたので今期のアニメと比較するのは向いてないかな。

最近だと武装神姫が細々とよい近未来感を演出してましたが、あの世界で使える通信機だと私は寅型が欲しい・・・

 

スマホ登場後のSFでは当然それを越える何かを生み出す必要があるのですが、アイアンマンでは主人公が空間投影とスマホ的インターフェイスを組み合わせていましたね。

一方日本の今期のアニメ業界はどうかというと、ガルガンティアでは未来というには未来すぎてもう異文化になっているので除外して、他の近未来物はもう未来を想像するのを放棄したのかというような体たらくでため息しかでません。

だって登場人物が使ってたのスマホでしたよ、スマホ。もうスタッフは近未来感なんて何も考えてないですよね。

MJPの方は中核のアイデア考えた人に周りがついていけてないっぽい感じが全体的に漂ってましたけど、もうひとつの方はSFどころか物語として成立するかも怪しいレベルだし・・・

ホント、今シーズンの近未来物にはがっかりでした。