kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

「磯野家の年金」を読んで

今週のkindleセール本ですね。年金制度の解説本です。

 

まず始めに忠告しておきますと、この本が分かりやすいと思う人は年金問題で5つ質目して3つは正解で1つは微妙に間違ってて1つは全然違うというくらいの人です。全部正解の人なら読む必要ないし、間違いの方が多い人は多分ついていけません。

サザエさんを例えに持ってきたところはよかったんですが、説明があまり噛み砕かれていないのである程度分かっている人なら分かるという感じで、何も分かっていない人の入門書にはならないでしょう。また巻末のリンクが(少なくともkindle paperwhiteでは)実際にサイトへ飛べないのも残念なところ。

 

まあでも年金の制度自体が複雑すぎるところがあるんですよね。

その昔年金のCMに出た女性タレントが年金未払いだということを追及した政治屋が

そもそも年金を払っていなかったという笑い話にもならない質の低い実話がありましたが、あれも複雑な制度の問題が根底にあったと思います。例え複雑だとしてもそれを運用する政治家がそれを理由に言い訳できる問題でもありませんけどね。

そういう点では数々の年金問題に対して「これが解決するまでは辞めない」と陣頭指揮を執り続けた枡添さんは政治家として頑張っていましたね。始めはタレント議員だと舐めててごめんなさい。

 

ただこの本でもそうなんですが、年金問題に関しては大抵は単に年金が貰えるかどうかって話になってるんですよね。それって既得権益を守れって言ってるだけのことなので、とても質の低い議論に思えます。政治屋や官僚が既得権益に群がるのを批判するなら、我々国民も既得権益を要求すべきじゃありません。

 

年金問題って、本来は老人が健やかに生活できるかどうかっていうのが肝であって、健康的に生きる手段が別にあるなら年金なんて必要ないんじゃないでしょうか。これからの年金問題はそういう観点で考える必要があると、これから老人になる私は思います。

私自身は年金なんて廃止して、働ける人には働いてもらってそれ以外は生活保護で賄えばよいと考えています。もちろん今の生活保護の制度にもいろいろと問題がありますので、その辺は解決する必要があるのですが・・・

 

日本は将来的には自動化された工場で生産力を確保すべきで、それまでの過渡期は老人を労働力として利用すればいいと思います。ちょっと前にも言いましたが、この年金問題を少子化問題と結びつけるのは大反対です。

 

少子化問題を解決しようとした時、民主党子供手当てはなかなか魅力的な提案でしたね。

財源が無かったりあちこちに抜け穴があったりで制度としては微妙でしたが、出生率を上げることを一番に考えるならよい方法だったと思います。だから本当に人口を増やしたいなら年金を削ってでも財源を確保すべきだったし、老人達も孫の為と言われれば多少は協力してくれたでしょう。その他の制度上の不備なんていくらでも修正できたはずです。

日本の人口をこれ以上増やしたくない私としては子供手当てを危険視していたし、潰れてくれてありがたいのですが、だからこそ分かることがあります。自民党の子供手当てへの反対は私と同じ立場の人間のやり方です。恐らく彼らは出産人口を増やそうなんて本気で考えていません。

だから自民党の出す少子化対策なんて意味の無いものばかりだし、待機児童対策なんかも及び腰なんだと思います。ただ年金問題を少子化問題に摩り替えることだけが目的なんでしょう。年金問題だと政府の責任ですが、少子化なら子供を生まない女性達のせいに出来ますからね。枡添さんを失って責任の矢面に立つ人がいなくなった自民党の薄汚い戦略なのでしょう。

まあ官僚的に考えても、少子化問題が解決しちゃうと少子化対策している人達の仕事がなくなっちゃいますし、だから政府の少子化対策の無策ぶりを真剣に批判してる人を見ると微妙な気分になります。

 

ただ少子化に関係する懸念として、経団連は大量の移民を呼び込むことを渇望しているし、アメリカもTPPで労働力の流動化と言う名目で移民を押し付けてくる可能性がありますので、そこだけは注意していきたいですね。日本に必要なのは子供でも移民でもなく、ロボットなのですから。