kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

「終戦のエンペラー」は萌え映画

終戦の日だからと言う訳でもないのですが、アメリカから見た戦後政策というのも結構レアなので見てきました。内容のせいか観客もご老人が多く、左右を迷惑老人に挟まれてちょっと困惑。右のじじいがやたら線香臭い食べ物を、左のじじいがやたら鰹節臭い食べ物を始終くちゃくちゃしてて、最後には偏頭痛になりましたよ。線香臭いのは落雁ぽかったけど、鰹節の方はまったくなにか分からなかったです。映画館で売ってるもの以外を口にするなとまでは言いませんが、くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃするく臭い息を吐き続けるのはいい加減にしてほしいです。何かと言うとわかものがーと口煩い連中が多いですが、ぶっちゃけ老人の方もたいがいですよね・・・駄目な若者と駄目な老人をぶつけて対消滅させる装置を誰か作ってください。

 

映画の方は半世紀も前の時代を描いてるせいか、最近のハリウッドではお約束の「出来る黒人」の相棒とか上官が出てこないのは何か新鮮ですね。ちょっと前に見た「パシフィック・リム」もちょいちょい日本語を挟んでくる映画でしたが、何故か「パシフィック・リム」の方が英語を聞き取りやすかったです。半世紀前っぽい発音とかあるんでしょうか?

 

ちょいと前にkindleのセールで「失敗の本質」が来てたので買ったのですが、日清・日露戦争で調子付いた大日本帝国がこの太平洋戦争で終止符を打たれて、逆にこの太平洋戦争で調子付いたアメリカがその成功体験に引っ張られて朝鮮戦争ベトナム戦争へずるずると突き進んでいくのも皮肉なものというか、結局戦争なんかで上手くいくことなんかないんだからやらないのが一番ってことなんですよね。「失敗の本質」は日本は失敗してアメリカは成功したって感じで、その発想がいかにも日本人的で残念な印象でした。

 

で、肝心の映画の感想ですがどう書こうとしてもネタバレに繋がるので、以降はネタバレ解禁で・・・

 アメリカから見るとエキゾチックジャパンという感じで面白いのかも知れませんが、日本人から見ると見慣れた風景ばかりだし、おっさん達が次から次へと断片的に出てきてぐだぐだ言うだけなので終盤まではかなりつまらなかったです。はっきりと白黒つける展開も無く、ホントに似たようなことをぐだぐだやってるだけなんですよね。「天皇に戦争責任があるのか」ってのずっと誤魔化し続けてるだけで、話自体が全然進行していないので凄くフラストレーションがたまります。いったいこれのスタッフは何をやりたいのかといらいらして見てたんですが、最後のマッカーサーと天皇の会見シーンで腑に落ちました。

 

萌えですね。

 

映画が始まってからずっと天皇という何かよく分からない存在がベールの向こう側にいて、いろんな日本人のおっさんどもが必死に天皇に戦争責任はないんだけど証拠もないんだけどでも戦争責任なんかないんだよとぐだぐだ子供の理屈いうだけで、最後にはアメリカ人までが誤魔化す方向で話を進めだして・・・

ようやく実物が現れたと思ったら、これがただのさえない小柄なおっちゃんでひょこひょことマッカーサーに近づいて、おどおどと喋りだす訳ですよ。

「全ての戦争責任は私にあります、好きにしてください」って

これはもう萌えるしかないでしょう。思わず抱きしめたくなるでしょう。そりゃマッカーサーも許す!

もうこの最後の萌えシーンの為だけに存在してる映画ですね。問題はそれまでの時間がひたすらに退屈なことですが・・・