kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

「なれる!SE8 案件防衛?ハンドブック」

「なれる!SE8 案件防衛?ハンドブック」の八巻がようやくkindleに来ましたね。

 

紙の本の出版から半年以上経ってる訳で、メディアワークスはホントやる気ないなぁ。紙の本を購入してた頃は電撃文庫だけで月に四~八冊は買っていたのですが、kindle移行後はこれが確か初電撃文庫になります。メディアワークス全体でも四冊目かな。

私の場合、本で一番重要なのは持ち運びの便利さなので、もう紙の本なんて選択肢はありえません。電撃文庫を比較的よく読んでいたのも文庫形式のレーベルの中ではでそれなりに好みの話が多かったからなんですが、それでも読んで面白かったと思えるのは月に1~2冊程度で、その時読んでる本とそれを読み終わった時用の本とその本が面白くなかった時用の本の三冊を常に持ち歩くのは正直手間だったし、あまり面白く無かった本を定期的にリサイクルに出すのも面倒でした。

kindleだと未読の本を十冊キープしてても苦にならないし、面白くない本でも場所を取らないから棄てる必要はないしで、持ち運びやすさだけでなく本を買う心理的ハードルがぐっと下がったのがありがたいですね。おかげでいろんな出版社のいろんなジャンルの本に挑戦するようになりました。

そんな訳で電撃文庫が読めなくなっても不自由は感じてなかったんですが、それでも既読のシリーズの続刊が読めなくなるのはちょっと寂しいところ。まあ私の好きなシリーズはほとんど新刊出てないからあまり関係ないんですけどね・・・

 

さて私の職種もカテゴリ的にはSEということになるのですが、どちらかというと業務アプリ開発なのでこの話の主人公の工兵君とはほとんど重ならない感じ。この本の会社だとSD部で、主に客先在住のIT土方ってやつです。

共通するのはユーザーが我侭だったり管理者が無能だったりするくらいですが、まあそれはどんな職種でもよくあることですからねぇ・・・

私が就職したのはバブルが弾けた後の就職氷河期の頃で、就職の苦労は彼と同じくらいですかね。バブルの頃に採用した余剰人員を比較的新しくて景気がよかったIT部門に回す大手が多くて、仕事の出来ない中堅がやたらに溢れている時代でもありました。どこも給料分の仕事を出来ない人達が六割は居ましたね。

なので苦労の種類は違いますが、レベル的には工兵君くらいの苦労は日常茶飯事でしたね。

まだプログラマをやってた頃なんて、詳細設計やってるチームにプログラムなんて出来ない連中が混じっている訳です。親会社の他の業種で採用された入社五年目の新人設計者、しかも態度デカイみたいな感じの人。分岐のケース漏れや例外処理の抜けなんかは可愛いほうで、もう何がしたいのか日本語としてもおかしいなんてのが山ほどあって、そういうのはいちいち指摘して仕様書を訂正してもらうんですが、訂正そのものがまた間違ってる無限地獄が発生したりするのです。

そんな時はもう諦めるしかないですね。

まずソースエディタ開いて、仕様書の全文をコピーしてコメント化します。そして後で対比しやすいよう、コメント一行に書かれてる機能をその下にコーディングしていきます。まあループとか文章と対応させにくいものもある訳ですが、その辺は見た人にわかりやすくすることを前提に書きます。

仕様書が間違っているので当然結合テストの時にエラーになるのですが、そこで仕様書から離れない範囲でより大きなエラーになるようにコーディングするのがコツです。あまりにも酷いと大事になって対策会議という名の吊るし上げが始まるのですが、そうなればしめたもですよ。

集まったお偉いさんの前でソースを見せて、仕様書の通り作ってますよとアピールするのです。なにせ仕様書の全文がコメントにされていて、その下にソースがあるのでよくわかってない人でも一目で仕様書通りだとわかります。よく分かってる人はこれが大いなる嫌がらせだとすぐに気付きます。仕上げに訂正のやり取りしたメールのプリントアウトでも配れば完璧。そこからはめでたく仕様書を書いた設計者の吊るし上げが始まる訳です。

これで社内政治は出来るけど仕事は出来ない人は私と組むのを避けるようになるし、結果的に設計者が一人潰れるので運がよければその後釜になれてステップアップなのです。何か問題が起こった時には、その問題をより盛大により多くの人にぶちかませばなんとかなるものなのですね。マッチポンプともいいますが・・・

 

そんな感じで若い頃はいろいろ苦労しましたが要領が良くて性格が悪かったので、周りの人の方がさらに苦労していた感じですね。それに本とプラモを我慢せず買える程度に稼げれば満足なので、それ程熱心に働く気がないのもこの仕事を長く続けられた原因かもしれません。

そんな訳なのでやたら熱心に仕事を頑張る工兵君とは相性悪そうですが、小さくて可愛い上司は羨ましいので誰かとトレードしてほしいです・・・