kindle沼日記

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ロボットアニメ考察 その一

関西ではダンクーガやゴッドマーズが再放送され、ロボット物の新番組も必ずラインナップされるようになって、冨野さんが新しいガンダムを作るというこの時期にちょっとロボット物について考察したいと思います。

 

そもそもなぜ人型の巨大ロボットがアニメでこんなに出てくるのかというと、かっこいいからですね。戦車や飛行機より人型の方が分かりやすいし、大きい方が強そうじゃないですか。男子はそういうのにときめくのです。


ただこれはひょっとすると日本特有の現象なのかもしれません。
海外では人型ロボは人間サイズが主流だし、海外で流行った巨大人型ロボってトランスフォーマーにしろパシフィック・リムにしろ、たいてい日本の影響を受けてますもんね。そもそも巨大な人型のヒーロー自体が日本以外にほとんどいなくて、巨大系はほぼ悪役です。

その辺は文化的なものかというと、日本でも戦前はそんなもの存在していなかったので明らかに戦後の日本で突然変異が起きたんです。ロボの初犯は横山光輝さんの鉄人28号ですが、初期の巨大ロボはウルトラマンも含めて巨大ヒーローものとして分類した方がいいような気がします。

 

なぜ日本で巨大ヒーローものが現れたかというと、ゴジラが流行ったからじゃないかと思います。
子供達の仮想敵にゴジラがインプットされちゃったので、それに対抗する手段として巨大なヒーローが求められたんじゃないでしょうか。それは初めはウルトラマンでしたが、巨大な敵が次々と生み出されてくる中で、男の子達は自分でも動かせるロボットを欲したんだと思います。それがマジンガー以降のスーパーロボットブームに繋がったんじゃないかという仮説。
私も自分が変身するよりはロボットに乗りたいですし。

 

そんな訳で日本でも巨大ロボは長らく子供向けとして扱われてました。
それがいつの間に高年齢層にまで浸透したかですね。


細かい転機はいろいろあったと思うのですが、大きな原因はやはりスターウォーズです。あれを見たクリエーター達が影響を受けてリアル志向に走ったんですよ。
若い人には分かりづらいかもしれませんが、当時のスターウォーズの衝撃は凄かったんです。最近のブームに例えると「まどかマギカ」と「進撃の巨人」と「ガールズ&パンツァー」を足して三倍にしたくらいの影響でしょうか。
正直私はまだその凄さが分かる年齢ではなかったのであまり直接の影響を受けてないんですが、後で調べたらもうあらゆるものが影響を受けてたので二次的汚染はそりゃ酷いもんでした。


私が受けた二次汚染の筆頭がガンダムですね。巨大ロボがライトセーバーで戦っちゃうアレです。モビル「スーツ」ってのも、初めは帝国兵のストーム・トルーパーみたいにホントにスーツにしちゃう案もあって、その名残じゃないですかね。
当時の人達にとっちゃ分かり切ったことなので語られること自体あまりありませんが、ごく普通の少年が住んでる所に突然軍隊が攻めてきて戦いに巻き込まれていくというガンダムフォーマットって、そもそもスターウォーズのルークが原型だし。

 

ただリアルにしちゃうとそもそも巨大な人型ロボの存在自体が現実的ではないんですよね。
スターウォーズでも巨大ロボは人型じゃない訳ですし、影響は受けつつ巨大ロボへの夢は捨てきれない日本のアニメ界はその後も独自路線で続いていくのです。おかげでいわゆるリアルロボット系ではその辺の矛盾と常に向き合うこととなるのですが・・・

その辺に特にこだわったのが高橋良輔さんで、ボトムズガサラキがリアル系の頂点だと個人的には思ってます。

 

しかし改めて振り返ると、戦後の日本だけで巨大ヒーローブームが起きたのはいろいろと謎ですね。世界的に見てもアメリカの影響下にある所なら、キングコングブーム以降それに対抗する為に巨大ヒーローは必要とされたと思うんです。キングコングゴジラよりずっと前だですからね。


西洋にも巨大な人物像を作る文化は存在するので、巨大な人型がタブーになることもないでしょうし。やはり常に戦争しているような国だと、子供達の仮想敵も巨大な怪物でなく人間的なものになちゃうんでしょうか。
あの人ら、ゾンビが仮想敵のデフォルトっぽいしなぁ。

 

書き始めるとキリがないしなんか話がそれ始めたので、今日はこの辺で・・・