kindle沼日記

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「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」地上波決定

「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」が9/1に地上波で放送されるようですね。

とは言っても関西では放送されないようですが・・・

 

そんな訳で積んでいたBDを消化しました。映画って時間かかるから、なかなか見る時間がないんですよね。

でもこのところ嫌なことが多かったので、実に良い気分転換になりました。

 

この作品の良いところは、まずアニメらしくよく動くことですね。私がこの映画を見に行ったのも、他の映画を見に行った時のPVを見たからですし。魔法の国の森をバックに空を飛ぶシーンは実に爽快感がありました。中華街で壁を作って走るシーンもわくわくしますね。日常アニメもいいですが、こういうアニメでしか出来ないこともどんどんやってほしいです。

 

次に物語の構成もいいです。あちこちで散りばめられた伏線が回収されていくのは見てて気持ちいいです。また魔法の国の死生観がこちらとは全然違うというのを、説名台詞無しでシーンのつながりだけで納得させてしまうのもいいですね。

利益主義のヨヨが人間世界を守ろうとするまでの流れも無理なくて説教臭くもないのも好みです。

 

そしてなにより一番すばらしいのがテーマです。これは新しい時代の新しい物語なんです。

三十年程昔、機動戦士ガンダムで戦争は善悪の問題でないと解いてから、日本のアニメは大きく変っていきました。それまではいいやつが悪いヤツをやっつける話が主流でしたが、価値観や主義主張の違いのずれから起きる悲劇を描くようになりました。とは言え、物語を作る上で悪いやつを倒すってのはいい〆になりますから、なんだかんだで悪いやつってのは出てくるんですよね。昔みたいに世界征服をしようとする絶対悪的なのはほぼ絶滅しましたが、物語に悪はまだ必要なんです。豊かな時代になって価値観も多様になってきた今じゃ、誰もが納得する悪なんて難しくなってきましたけど。

ところで皆さんの身近な悪は何ですか? 最近は何かと言うと社会が悪いという風潮で、まどかマギカのQべえも構造的悪を抽象化したものでしたね。でも社会って何かっていうと、やっぱり人の集まりでしかないんですよ。だから社会が悪いんなら、それはそこに属する一人一人が悪いんです。あなたも私も悪人です。

「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」は今の時代での今の悪というのを上手く描いた作品です。誰が悪いとかじゃなくて、皆少しずつ悪いんですよ。誰がいいとかじゃなくて、皆少しずついいんですよ。だから一人一人がちょっとずつ頑張っていくしかないんですよね。

この映画は今後トトロやサマーウォーズみたいに、定番映画として定着していくレベルの作品だと思います。特にエヴァンゲリオンとかまどかマギカに嵌った人には、見てもらいたい作品です。

この映画を見てしまったまどかのスタッフが、どんな続編を作るのかもちょっと楽しみです。