「ニコイチ」セール中

kindleの月刊セールで「ニコイチ」が来てたので、これはお勧めしなければなりません。私自身は発刊当時にその都度購入して、自炊して電子化も済んでいるので買わないですけど・・・

この漫画の何が面白いかって、やっぱり主人公を取り巻く環境と次から次へとやってくる厄介事ですね。ただそのほとんどは主人公の自業自得でしかないんですが・・・

この主人公は３０歳手前のサラリーマンで、会社では地味で目立たない男です。
ところが家では近所でも評判の美人の母として、小学生の男の子を完璧に育ててます。家では母、会社ではうだつの上がらない男という二重生活をしているんですね。
その秘密は彼と彼の両親しか知りません。
そう、彼に育てられてる息子も彼のことはお母さんだと信じてます。しかも凄く素直でいい子なんですが、かなりマザコン・・・

でも主人公は別に女装癖があったり、女性になりたいって訳じゃないんですよ。
この主人公、ちょっと思い込みが激しい完璧主義者で、学生時代に付き合ってた女性と死別した時にその女性の赤ん坊(血がつながってない)を引き取って、何故かその赤ん坊がその女性の化粧品を身につけた人にしか懐かなかったせいで化粧を始めて、そのまま今に至る訳です。
完璧主義のせいで無駄に女装と家事スキルが上がっただけで、いずれはその状態を解消しなければいけないとは考えている普通？の男です。ただ女装した自分が美人であるというところにはプライド持ってたりするみたいですが・・・

そんな彼が女の人に一目ぼれして、よりによって女装状態の時に相手と仲良くなってしまって、この恋の行方は・・・というところから始まって、後は一つ問題が解決する度に新たな問題が押し掛けてくるというジェットコースター展開です。普通の恋愛物だと恋が実ったところで終わったりする訳ですが、これは問題の根本が彼と養子の間にありますからね。

息子への愛情ゆえに完璧な母親を演じて、息子に嫌われたくないから自分が父親(しかも血がつながってない)とは打ち明けられない、そんな主人公の状態を半ばコミカルに半ばシニカルに描いてます。主人公が全てを打ち明けて無事息子の父親になれるのか、読み始めると最後まで目を離せないですよ。

これ二クールくらいでアニメ化しないかなぁ・・・