kindle沼日記

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今と昔は違うもの

昨日の池上さんの解説塾を見てたのですが、香港のデモはさっさと平和裏に解決して欲しいですね。

 

私などの年齢では中国のデモというと一般市民を戦車部隊でひき潰した天安門が思い出される訳で、ついこないだの高速鉄道の事故でも犠牲者ごと車両を埋めてしまうような暴挙もありましたし、あの殺人集団中国共産党とその配下の歴史上中国人をもっとも大量に殺害している中国軍がいるあの国でどんな悲劇が引き起こされるのかと冷や冷やしていたのですが・・・

今になってもまだ理性的な対応をしているところを見ると中国も少しは変ったのかもしれませんね。

 

連続した時代の流れの中では、世間の常識が知らない間に変っていたり、自分の価値観が変ってしまったことにすら気付かないことはよくあります。いや実際皆さんも気付いていないだけで、そんなことは山ほどあるはずですよ。

 

最近だと子育て問題で、今の人は子供のいる家庭に対して冷たいなんてよく聞きます。こないだは保育園の建設予定地の周辺の住民が、建設反対の訴訟を起こしたというニュースで、キャスターが「最近の人達は・・・」と嘆いていました。

いやいや、何を勘違いしているんだと笑っちゃいますね。逆です、完全に反対です。

私は引越しが趣味なのでよく知ってますが、昔から学校や保育園や子供の集まる公園の側の家賃って相場からするとかなり安いんですよ。子供の集まる場所ってのは土地の資産価値が下がるんです。だってうるさくて気が休まりませんからね。少なくとも第二次ベビーブームの私が子供の頃からそうだったんです。昔から日本は子供を大切になんかあつかっちゃいませんよ。

じゃあ何故最近になって社会が子育て世帯に大して厳しいなんて風潮が出てきたかと言うと、だから逆なんです。少子化で子供の価値が上がったのか、裕福になって余裕が出てきたのか、子供を大切にしようとか、もっと子育てを社会で支援しようという人達が増えてきたんです。

私が子供の頃はむかついた時に近くにいた子供を殴ることが教育と呼ばれていました。子供は機嫌の悪い大人に殴られるのが当たり前だったんです。素直な子供だと自分が悪かったと勝手に思い込むことも多かったですが、私は小学生の頃から口論で大人に負けることのない賢しい性質だったので、大人の言い分の方がおかしい場面をたくさん見てきました。今はどんな理由であれ、大人がいきなり子供を殴るのはアウトでしょう。

そんな感じで、昔に比べたら子供の扱いも子育て世帯への風当たりもはるかにマシになっているのが実情だと思います。昔は酷いのが当たり前だったから、誰もそれが酷いなんて言い出さなかっただけです。徐々にそう思う人が増えてきて、今はようやくそういった人達が派閥を持てるくらいになって、その意見に耳を傾ける人も出てきたという所です。まだ少数派なので厳しいと感じる人がいるかもしれませんが、「昔に比べて」なんて言うのは事実誤認です。

価値観が昔と違うことに気付かず、今の価値観で昔を見てるから「酷いこと言う人が居なかった」=「優しい人が多かった」と勘違いしてるだけです。「酷いこと言う人が居なかった」=「酷い人ばかりでそれが普通だった」が正解です。

 

そういう意味では東日本大震災の時に略奪が起きなかったことを素晴らしいという人が居ますが、それは確かに素晴らしいことなんだけど、「今の日本」限定のことだということも忘れちゃいけません。あれが日本の伝統なんて勘違いしないでくださいよ。関東大震災でどんなことが起きたかちょっと調べれば、そんな勘違いは出来ないはずなんですけどねぇ。今の日本は誇らしいですが、昔の日本も同じと思ってはいけません。この二十年程でようやく誇れる国に成長したんです。若い人がそれに気づけないのは仕方のないことかもしれませんが・・・

 

時代の変化に気付かなかったと言えば、先週のアレは酷かったですね。女性の輝く時代がどーたらで鳴り物入りで閣僚になって、あっという間に辞任に追い込まれてたアレです。いやあれだけニュースに取り上げられたら、ある意味輝いていたのかも知れませんが・・・

アレも二十年くらい前なら問題は無かったんですよ。政治資金のごたごたなんて余程の大金でもない限り、選挙で負ければ政治屋への忠誠を誓うために警察がしょっ引くことはよくありましたが、あの程度の金額なら皆がやってることだからスルーされてたんですよ。徐々に徐々にその辺の追求も厳しくなってきて、今じゃ完全にアウトの領域だった訳ですが、彼女のスタッフも含めて父親が総理をやってた頃からその辺の感覚が変ってなかったんでしょうね。

 

そんなことにならないよう、たまには昔を思い出して何が変ったのか確認してみるのもよいと思うのです。