kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

さがら 総 著「さびしがりやのロリフェラトゥ」を読んで

kindleガガガ文庫を買う度に「この本を買った人はこんな本も買っています」とお勧めされたので購入。


これはよい童話でした。
とある高校を舞台とした、一人称で章ごとに主人公の変わる短編集なのですが、各話の登場人物はほとんど共通です。
一人称なので主人公が変わると世界観も変わっていくんですが、同じものや同じ人でも見る人によってどれだけ感じ方が変わるかということをテーマにしているので、一粒で何度も美味しい物語に仕上がっています。
立場が変われば評価も変わるということは頭で分かっていても、現実ではあまり実感することはありませんからね。この本で主人公が変わる度にそれまでの認識がずれていく感覚は、なかなか面白いです。
一冊でさらりと読めるので、たまには趣が変わった本を読みたいという人にはお勧めです。