kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

ヤングブラックジャック終わる

とりあえずヤングブラックジャックの原作者とスタッフは全員正座な!

 

ヤングブラックジャックの初めの方は、正直見てて楽しいものではないけれど無視も出来ないものでした。

ブラックジャックの若い頃というと、世界中の価値観が大きく変わりだした時代です。ベトナム戦争以前は敵対する他民族を皆殺しにするなんてことは市民的には当たり前の話で、アメリカ先住民を殺しまくってその土地を奪ったアメリカが原爆で日本人を大量虐殺しても騒ぎにはなりませんでした。

実際には一部の先進的な人達は反対してたし、実際に現場を見た人達はやり過ぎたと後悔して、それがマッカーサーの日本統治を随分温情的にしていたのですが、市民レベルでは違ったのです。先進国ですらほとんどの人達が今の中国人レベルだった訳ですね。まあその頃の日本はそれ以下の封建社会だった訳ですが・・・

それが報道技術の進歩のおかげでベトナム戦争でいろいろなことが明るみになって、虐殺はいかんよねというレベルに進化しました。豊かになって余裕が出てきたということもあって、身近な人を使って鬱憤ばらしをする必要も少なくなり、人種差別もいけないよねということになりました。

まだ未成熟な日本社会の若者もその影響をまともに受けて、自分達が正しいのだから自分達に逆らう奴らを皆殺しにすれば世の中はよくなるというテロリストが大量発生しました。

そのテロリストと大勢の支持者は一部が逮捕され、大半は何の反省もせず社会に出て今ではあちこちで重鎮になっています。おかげであの時代の日本がどれほど愚かでくだらないものだったかはあまり喧伝されず、逆に美化されている有様です。まあ日本人のレベルがあまりに低すぎて、それが悪いことだったとすら認識出来なかったというのもあるんですけどね。

あの時代の身勝手なテロリストをそのままむ主人公にしたΖガンダムで社会に衝撃を与えようとした富野さんが、カミーユが正義の味方と受け取られて逆に人間不信になったこともありました。

それが今じゃ正義を口にするだけの身勝手な連中を、偽善者と言い捨てるアニメが出来たということが感慨深くもあります。

 

そんな感じで社会批判的に見ていたら、まさかの百鬼先生の大活躍。

なんだお前らこーゆーのがやりたかったのかよ、そーだよねどろろの原作未完だし、やっぱりやりたいよねこーゆーの。百鬼丸ブラックジャックの共演なんて夢のようだよと、一気にスタッフが身近に感じたのです。

 

ところで私が記憶に残っている中で、一番初めに好きになったヒロインがリボンの騎士のサファイアでした。ストーリーをきちんと覚えている初めてのアニメがリボンの騎士なのです。

再放送だとは思うんですが、あれは幼稚園に行く前くらいですね。幼稚園でリボンの騎士がいかに素晴らしかったかを語っていたのも覚えています。

悪戯な天使のおかげで男の子の魂を入れられた女の子が、王様のただ一人の子であったために王子として育てられる冒険活劇で、女の子とばれると追放されるという厳しい環境の中で特に苦もなく男の子としての楽しく暮らしていたんですよ。終盤は国を追われて大変なことになったりしますが、国を乗っ取ろうとする悪役のジュラルミン大公やその部下のナイロンの末路もまた悲惨で、因果応報ではあるもののいろいろとやるせないお話でした。

そうしたところも含めて好きなお話だったのですが、私はあのラストだけは子供心に許せませんでした。女の子の魂に入れ替えてもらって、女の子として過ごしていくというアレです。

フランツと結ばれるのは別に良かったんですよ。フランツ、いい奴だったし。サファイアもけっこう惹かれてましたしね。だからこそそのままくっつけばいいと思ってたんですよ。なんで魂入れ替えるの・・・

 

だからヤングブラックジャックにサファイアが元ネタのキャラが出ると知って、あの頃のもやもやをなんとかしてくれるかと期待したんですが・・・百鬼丸をあれほど見事に復活させた連中ならきっととやってくれると期待が先走っていたんですが・・・アレ、デザインがサファイアに似てるだけですよね?

がっかりだ、サファイアの魅力をまったく引き出せないお前らにはがっかりだよ!!

 

後はあのナレーションの締めですが・・・錬金三級マジカルぽかーんでナレーションだと思ってたのがケイミィという透明人間のキャラだったと判明した時以来の衝撃でした。

お前だったのかよ!