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kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

石川博品著「後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール」を読んで

石川博品熱が収まらなくなって、また石川博品作品を購入

 

私が今までこれを買わなかった理由は、スーパーダッシュ文庫だったからです。
私はかつて新規レーベルが出た時は片っぱしから買っていたのですが、その時に読んだものがことごとくハズレだったりすると以降はそのレーベルを無視していたのです。
無視と言うか、完全に意識外へ追い出していたので、好きな作家がそこで本を出したとしても気づかないんですよね・・・

kindleだと良くも悪くもレーベルの存在感が無くて、ようやくその存在に気づいた次第であります。

 

さて本の内容ですが、スゲェ・・・


中世の中華風の国の後宮が主な舞台ですが、その国では何故か野球が盛んというかもう野球に狂っているような国で、後宮でも皇帝の寵愛を受ける為に野球で競い合っているという設定です。

訳の分からない突拍子もない設定ですが、それに妙な現実感を持たせるのがこの作者の狂ったところ。
後宮の女性がする野球と言っても趣味的なものでなく、かなりガチです。
真剣に野球をしていますが、真剣すぎてちょっとしたことで乱闘したりします。
もう一イニングに一回は乱闘しているんじゃないかという勢いです。
女の子ばかりだから上品だろうなんてことはなく、同姓ばっかりだから異性の目を気にしてなくてかなりガサツです。乱闘でもバットを振り回すような連中です。

 

宮女が喧嘩上等で野球しているというだけでもかなりアレですが、更に投手がボールを握る音を聞き分ける宇宙人や、超能力でボールを止めてしまう獣人、はてはただの猿まで当たり前のように選手として登場します。勿論、そんな彼女達も後宮の宮女です。

 

そんな何でもアリなお話を、いかにもそれっぽい嘘蘊蓄や嘘歴史ネタを織り交ぜて、そんな国がかつてどこかにあったかのように感じさせる手腕が実に見事です。
話のタイプとしては群像劇に近いですが、どのキャラも悪い意味で人間臭くて親近感が持てます。

作者はこんな出鱈目な話を書いて、一体何がしたかったんだとか、そんな疑問すら起きないくらいに出鱈目です。
多分何も考えずに、好きなことを好きなように書いただけなのでしょう。


その熱意はとんでもなくて、私は野球には興味がないどころか、あんな風に七面倒臭な決まりを作ってボールをどうこうすることに喜びを見出す連中は脳に重大な欠陥があるに違いない可哀そうと見下しているようなタイプですが、そんな私ですらここに書かれている野球は面白そうな気がします。
フィールドオブドリームズです、グランドには人生に大切なものが全て埋まっているのです。
まあ私はグランドに埋まってるプラモなんて泥を洗うのがメンド臭そうなので嫌ですが・・・

 

石川博品作品はいくら説明しても実際に読んでみないとそのインパクトは伝わらないと思いますので、最近なんだか世の中つまんないなとか思っている人はこれを読んで感化されてください。
現在二巻まで出てますが、次巻はいつごろ出るのでしょうか・・・