榎宮祐著「ノーゲーム・ノーライフ」を読んで
随分前にkindleのセールで6巻までの合本を購入したまま放置していたのですが、積んでる合本系の中では一番巻数が少ないので読み始めたついでに、現在発売されている8巻まですべて読みました。
内容的には異世界転生ものみたいな感じですが、舞台となるのがどんな争いもゲームで解決する世界というのは独特ですね。
元々特殊な人間が特殊な世界に行って活躍するというのも、異世界転生もののテンプレートから外れていますし、こーゆーのはもっと増えて欲しいところです。
私はアニメの方を先に視聴していた訳ですが、アニメは既刊部分をうまくまとめていたんだなぁと実感。
アニメの時も主人公に有利な展開が多いと感じましたが、小説だと余計にそれを感じますね。
後は記憶消去ネタを使い過ぎで、ちょっと引出が少ない印象。
どんな争いもゲームで解決するというとまるでバトスピみたいですが、あちらと違ってこちらはどんなゲームでもありです。
ただチェスにしろFPSにしろすごろくにしろ、作中で勝負に使われるゲームはほとんど特殊ルールで勝負がつくので、その辺が後出しジャンケンみたいでなんとももんにょりするところですね・・・
クレバーさじゃなくて、ノリと勢いとハッタリを楽しむものだと割り切った方がいいでしょう。
けっして温くはないというか、種の存亡がかかった殺伐とした展開の中で、主人公が敵の犠牲や味方の自己犠牲などあらゆる犠牲を否定してるのはいいですね。
そこは大いに評価したいところ。
アニメ化にもメリットとデメリットがありますが、アニメ化以降で刊行ペースががくんと落ちたのは明らかなデメリットですね。
世の中には西尾維新のような化物も居ますが、そんなのは例外中の例外ですから。
8巻が出てから既に半年以上経っているのですが、9巻はいつ頃出るのでしょうか・・・
ネットスラングに耐性があって、ハッピーエンドが好きな人にはお勧めです。