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kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

大塚ひかり著「本当はひどかった昔の日本」を読んで

ちょいと面白そうだったので読んでみたのですよ。

 

私は「昔は良かった」という人を信用していないんですよね。
だって私の知る限り、今の日本より過ごしやすいところなんてありませんよ。

 

私が子供の頃なんてクーラーはまだ一般家庭に普及していなかったし、テレビの録画装置もなかったし、スマホどころか携帯電話すらなかったし、インターネットも勿論存在していませんでした。
空気を吸えば排気ガスかドブ川の臭いがして、水道水はカビ臭くて、晴れた日には光化学スモッグ注意報です。
ちょっとでも騒いでる子供がいたらぶん殴ってすっきりすることを教育だと主張する大人がそこらをうろうろしていて、そうじゃない大人もそこらじゅうに痰を吐いて歩いていました。
それがほんの30年前の日本です。

 

じゃあ私が知らない程の昔ならどうなのかというと、この本によるとやはり酷かったようですね。
まあ色々な社会問題に対して昔の類似例を上げていくという形式なので、正直後ろの方はこじ付けっぽい事例も増えていきますが、古典を読む限り「昔は良かった」というのがただの幻想でしかないことが明らかにされます。

 

ぶっちゃけ日本がどうとか昔がどうとかじゃなくて、生産技術が低くて娯楽も少ない状態では、碌なことにならないというだけのことなんでしょう。
少ない物資を奪いあわなければならない場所じゃ、教養やら道徳なんて言ってる余裕はありません。
勿論、権力なり暴力なりで他人からたやすく物を奪えるような連中にとっては、そんなん社会のほうが生きやすいのかもしれません。
そんな連中にとっては、逆にちょっとした失言で社会的制裁を食らうような今の世の中はさぞかし暮らしにくいことでしょう。

 

つまり「昔は良かった」なんてことを言ってるのは、昔が酷かったことを忘れてしまっている馬鹿か、酷いことをしても金や暴力で片付けてたクズしかいないのです。
だから「昔は良かった」なんて言う連中を信用してはいけません。

 

「美しい日本」なんて歴史の中には存在していないのだから、取り戻そうなんて言っても無駄なんですよ。取り戻せるのは権力で薄汚れているか、物が足りなくて貧しい日本だけなのです・・・

今の日本にも色々と問題はありますが、前を向いてひとつひとつ地道に改善していかないと、甘言に乗って後ろを振り向いた途端に足元をすくわれて今より酷い生活を押し付けられるだけなのです。