kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

いろいろと

ここのところ個人的に悪くはないけど良いとも断言できない本が多かったので、まとめて紹介。

 

竹内真著「図書室のキリギリス」


高校の図書館で起こる日常ミステリーという触れ込みで読みだしたら、主人公がサイコメトラーのファンタジー物だった罠・・・
そして終盤突然湧き出てくる領土問題。
程度の低い討論番組でよく見る、感情に根ざしたふわふわした政治観そのままなところが、ある意味リアルなのかも・・・
いろいろな本の解説が出てくるので、「バーナード嬢曰く」みたいに本の知識を知ったかぶりしたい人にはお勧め。

文学少女」みたいな「本のマニア」でなく、「本のファン」程度のライトな味付けです。
この本にも出てくる「マガーク少年探偵団」は人生で初めて手にした落丁本で、
親戚からのプレゼントだったんで交換もできず悶々としたことを思い出させてくれた良本です?

 

宮木あや子著「校閲ガール」


評判がよさそうなので買ってみたのですが、ドラマになるからプッシュされていたようですね。
校閲という読書する側から見ると知ってるようで知らない存在には興味がわくのですが、ヒロインの属性を盛り過ぎて、そんな奴いるわけ無いだろを通り越して、キャラとして実に動かしにくそうな感じ。
実はミステリーとしてお勧めされたんですが、ミステリー要素はほとんど無くて、クイズではなくナゾナゾという印象。
校閲はともかく、出てくる編集がクソすぎて、ガーリッシュ ナンバーを楽しめる層になら問題なくお勧めできます。
ヒロインが校閲している劇中劇的な架空小説はとても面白そうでした。

 

宮木あや子著「校閲ガール ア・ラ・モード」


「校閲ガール」の続編というよりも、ヒロイン以外の登場人物を主役にした番外編的な短編集です。
やっぱりあのヒロインは動かしにくいよね・・・
そして内部が見えない第三者として出てくる方が輝いているよね・・・
主人公によって作風も変えてくるので、お気に入りの文章に巡りやすいのも売りかもしれません。
ただガーリッシュ ナンバーを楽しめる層向けなのは相変わらずです。

 

筒井康隆著「ビアンカ・オーバースタディ

 

筒井さんの小説は昔はそこそこ読んでいて「七瀬ふたたび」なんかは好きなんですが、「朝のガスパール」でついていけなくなってそのままご無沙汰していたのです。
この本も出版する頃にはちょこっと話題になっていたので知っていたのですが、「朝のガスパール」もそんな感じだったんで特に読む気も起きず放置して、Kindleでお安くなっているのを見てつい買ってしまったのですが・・・
ラノベとか言ってますが、一種の炎上商法ですね。
特に目新しいアイデアもないので、使い古したネタを使って最大限に話題になりやすく味付けしましたという感じ。
それでもたいして話題にならなかったくらいネームバリューに価値がなくなってしまったのかと思うと、それは社会による順当な評価としか思えないので仕方ありません。ある意味安定路線ですね。
朝のガスパール」が面白かったとか、本の内容よりも筒井康隆というキャラを考察するのが好きという人は読んでもいいんじゃないでしようか。
まあそんな人なら既に読んでいるのでしょうけれど・・・