J・K・ローリング著「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」を読んで
kindle unlimted で読めるうちに読んでおこうという訳でまた読みました。
シリーズ4巻目ですが、やたら長いですね・・・
今までと同じで怪しくない人が実は犯人という作りですが、今までより長いおかげで犯人候補も多いし特定しにくくなっているので、そういう意味では今までのものより楽しめる期間が長いかと思います。
私がまだ小学生の頃、とても印象深い推理小説を読んだことがあるのです。
一種のアリバイトリックなのですが、犯人には実は生き別れの双子の弟がいて、あらかじめその弟と入れ替わっていたというものでした。
そんなトリックがまったく何の伏線もなく使用されていて、犯人の告白で明らかになるのです。
思わず本を投げ捨てたくなる衝動にかられたものでした。
このポッターシリーズを読むといつもその話を思い出すのですが、今回のは特に酷いなぁ・・・
ところで今回はクディッチの世界大会が序盤の大きな山になっています。
クディッチとは何かというと、魔法使い達の間で流行っているサッカーやバスケに似たスポーツです。
ただ私のように球技に興味ない人間にとっては、そもそもサッカーやバスケというのが良く分らないということもあるでしょう。
まずはそこから説明いたしましょう。
皆さんは猫という生物を知っていますでしょうか。
子猫の目の前でボールを転がすと、彼らは勢いよくそれに飛びついたり追いかけたりします。
これは狩猟本能が刺激されての行動だと言われていますが、成長すれば収まることもあります。
ところが成長しても理性で制御できず、本能のおもむくままにボールを追いかけてしまう猫も珍しくありません。
彼らはボールを見ると身体が疼き、追いかけずにはいられないのです。
それは猫に限った話ではなく、犬や人間にも一定の割合でそんな個体が存在します。
さすがに人間は理性に負けて本能のままに行動する人は少ないですが、居ない訳ではないのです。
彼らの前でボールを転がすと、彼らは体力の限界までボールを追いかけます。
そしてボールを奪い合います。
それがサッカーやバスケと呼ばれるものです。
ボールを追いかけ続ける程の体力がないけれど、ボールを追いかけるのが好きな人達が観客になります。
いずれにせよ理性より本能が優先される連中なので、試合中はとてもうるさいです。
つまりクディッチというのは、理性より本能が優先されてしまう魔法使い達が行う行為です。
それに熱中している観客たちも同類です。
魔法という強大な力を持ちながら、理性より本能が優先される人達がとても多い魔法社会。
それはもう恐怖でしかありません。
実際、警備とかセキュリティ面は無茶苦茶ザルだし、あの世界。
そんな杜撰な魔法社会の恐怖がついに現出したのが今回のお話になります。
馬鹿な人達が力を持つとホント恐ろしいですね・・・