kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

広瀬正著「マイナス・ゼロ」を読んで

kindle の日替わりセールに来てた時に購入。

 

私は不勉強にもこの物語のことを知らなかったのですが、けっこう有名な話らしいですね。

私が生まれる前に発表された話なので、SFとしては古典中の古典のようです。

 

それにしても驚いたのは、構成の部分に全く古さを感じさせません。

タイムトラベル物によくある、過去の知識を生かしてうまくやりくりする所は、その手の話が好きな人ならたまらないでしょう。

タイムパラドックスも手堅く揃えているところが心憎いですね。

 

そして驚くのは、この話の異常なまでの古さです・・・

どういうことかと言うとですね、主人公をはじめとする登場人物の時代感覚がもう化石レベルなのです。

当たり前のように男尊女卑で、大人は息をするように煙草を吸いまくり、なにかあるとすぐ暴力。

そりゃあの時期はそれが当たり前なのですが、「この世界の片隅に」はその辺上手いこと誤魔化してましたからね・・・

ジブリの「風立ちぬ」で煙草を吸いまくる主人公を受け入れられなかった人には、この話は無理でしょう。

もう価値観が別次元ですからね・・・