「虐殺器官」を見てきました
地味に時間が合わなくて躊躇していたら、公開二週目で既に一日二回の上映とさらに厳しくなったので無理して見てきました。
行ってみたけっこう広いシアターがほぼ満席状態で、こんなに客が入るならもう少し上映してくれてもいいのに・・・
やけに若い人が多かったですが、何を期待して見に来たのかは気になるところ。
内容的には前二作と比べると遙かに原作に忠実なんですが、それでも町田さわ子的に「原作ガー」と思ってしまうところはありますね。
特に主人公の母親の件はたいして時間もかからない上に主人公の根幹を形作るエピソードなので、
何故映画であれをカットしたのかは気になります。
無駄に長いフットボールのシーンをちょっと削れば十分時間はあるでしょうし・・・
ハーモニーよりは映像化しやすいんだろうけど、情報量の多い話なだけに映像だけだといろいろと分かりづらいですね。
特にラストのとこは、主人公が英語圏に何をしたのか映画だけ見た人に伝わったのでしょうか。
映画を見てもやもやした人には原作を読むことをお勧めします。
その場合は続けて「ハーモニー」も読むといいと思います。
国が解体されていくお話が「虐殺器官」で、その後で個人が解体されていくのが「ハーモニー」なので。
基本的に「世界の真実は醜い」という露悪趣味の作品ですが、最近はシリアの状況とかトランプ大統領とか、現実が原作を追い越した感が強いですね。
今の時代に作者が生きていたならどんな物語を書いていたかと思うと、いろいろと切ない気分です。