宮内 悠介著「盤上の夜」を読んで
七夕にkindleの日替わりセールで来てたので買ったのですよ。
私はこの本のことをまったく知らなかったのですが、いろいろ賞もとっているらしいしSFなので買ってみたのです。
いやあ、良かったですよ。
前情報なしに本を読んで面白いと思ったのは凄く久しぶり。
この本は短編集なんですが、どれもボードゲームを題材としたお話ばかりです。
ボードゲームと言っても双六とかじゃなくて、囲碁とか将棋とか麻雀の方ですね。
SF要素もありますが、SFを期待しては駄目です。
と言うか、SF要素いらないんじゃないかな・・・
量子歴史学とかもっと面白い話を作れそうなもんだけど、アイデア止まりで素材として使いこなしてる感まるでなかったし・・・
でもそれ以外の部分が面白いのでまったく問題ないです。
特に一遍目が最高です。
キャラが立ちすぎて普通だと嘘くさく感じるような人物を、記者が取材するという形式でそれっぽく落とし込んでいるのがいいですね。
この本を読んだだけだとストーリーを作るより、キャラを作る方が上手い作家さんという印象。
積み本を片付けたらこの作家さんの他の本も読んでみようと思います。