kindle沼日記

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続 放射能って?

前回の続きですが放射線の影響を説明しててややこしくなるのは、

まずこの原子崩壊アビリティが常時発生タイプじゃないことなんですよね。

アビリティ持ちがたくさん居ても全員がそれを使わなきゃ放射線は出てこないし、

少なかったとしても全員が一気に使うと瞬間的にたくさんの放射線が出てくることになる訳です。

 

ベクレルは一秒間に一回このアビリティが使われることなのですが、

 呑気に空間線量測れるようなところではそもそもアビリティ持ちが少ないので、結果にムラが出てくるんです。

例えば一日にトイレに行く回数の平均を取るとして、三人のグループだとたまたま頻尿気味の人が二人いたりして全国平均よりずっと多くなるかも知れませんが、千人のグループだと全国平均に限りなく近づくでしょう。対象が少ないと偶発的な要素の影響が大きくなるのでデータの信頼性がどうしても低くなるんですよ。

線量の低いところで観測結果にムラが出る理由はそういうことなので、

正確に放射性物質の量を知ろうとしたら長時間観測してデータ数を増やすしかないんですよね。

この辺のことを理解している人が少ないってのが「僕と日本が震えた日」で書かれているお話。

 

じゃあ放射線というものが危険なのでしょうか?

簡単に言うと放射線はとても高いエネルギーを持っているのでぶつかった相手を壊すことがあるんです。

ただとても小さいのでぶつかる可能性は少なくて、ここでもまた確率の話になってくるんですよね。

大量の放射性物質があれば出てくる放射線の量も増えてくるので確率の話なんてする必要ないんですが、 あくまで数百ベクレルみたいな場所でのことですよ。

たまたま放出された放射線が何の遮蔽物にもぶつからず全て人間に当たったとしても、それが毛や皮膚の表面なら心配することはありません。毛や皮膚の細胞が数百個傷ついたとしても、猫に引っかかれた方がよっぽど重症です。

低レベルの放射線が怖いのは細胞の核、いわゆるDNAに当たったときですね。

皮膚はそれなりに遮蔽能力が高いのですが、怪我してたり粘膜部分だったりするとその分細胞内に進入されやすくなります。ただ放射線がDNAに当たって損傷したとしても、まだそれが即致命的になる訳じゃありません。

DNAが何個か壊れて細胞分裂できなくなったとしても全体としては対した被害じゃないですからね。

怖いのはDNAが損傷した結果、悪質なガン細胞に変質した時です。

つまりたまたま出た放射線がたまたまDNAに当たって、たまたま悪質なガン細胞に変質したらアウトなんですね。

なんか凄く運の要素が絡む話でしょ。

放射線の数が多ければ多いほどアウトになる確率が多くなるのは確実なんですが、 ぶっちゃけ1個の放射線でもアウトになるときはアウトになるんです。

そんなのそれこそ隕石にぶつかって死ぬくらいの天文学的な確率なんですけどね。

そんな訳でこれ以上なら危険だと言う限界値なんて簡単には言えないんですよ。

宝くじを何枚買えば確実に一等が当たるかと言われても困るのと一緒です。

宝くじだと真面目な人になればなるほど全部買う以外は確実じゃないというだろうし (正確には全体の発行枚数-一等の発行枚数+一枚ですね)、それじゃ大赤字になるから意味がないですよね。

放射線だと完全にシャットアウト出来れば安全ですが、 そもそも放射性物質は自然界にも存在してるのでそんなこと不可能です。

その辺を統計的に厳密に突き止めようとしたら莫大な量のデータが必要だし、 当然人体実験も出来なけりゃ、ガンになった人の死体をすりつぶして放射性物質の残量を計測するなんてことも出来ないので、 残念ながら客観的に正確な判断基準がないというのが実情だと思います。

そんな状況だから同じ数値を見ても危険だという人もいれば気にするなという人もいるのは仕方ないんですよね。

私はその意見を人に強制せず、かつ他の人の意見もそれなりに尊重できるなら誰がどちらを信じてもいいと思ってます。

宝くじだって百枚買った程度じゃ確率的に1等は当たりませんが、だから買わないという人も買わなきゃ当たらないという人もどっちも間違ってる訳じゃないのと同じことじゃないですか。