kindle化リクエスト!
先ほど、ちょっと腹立たしい事実に気付いたので・・・
ダーク・バイオレッツが絶版状態じゃないですか!
普通はその作者の最新作がドラマ化されたらフェアとかしませんか?
それなのに三上延さんの記念すべきデビュー作が絶版状態なんて、どんだけやる気ないんですか・・・
こうなりゃアマゾンの交渉力に期待してどんどんkindle化リクエストをぽちりましょう!
このダークバイオレッツ、ジャンルはホラーアクションとなっていますが、内容はどちらかというと地味です。
いや、内容そのものは地味ではないのですが、なんというか地味な印象です。
舞台はとある地方都市で、蘇った死者が人を殺していきます。最後には都市の存続すら危うくなるという、状況的にはかなり切羽詰っていて、実に手に汗握る展開が続きます。
主人公の少年は「紫の目」の持ち主で、悪霊達と対決します。
設定とか説明するとかなり格好いいんです。
ただ「紫の目」というのが、単に幽霊が見えるだけなんですよね。
それ以外のところは普通の高校生です。
普通の高校生にしては責任感が強いんですが、体力的な面では平均的で、成績的な意味で頭がいいということもありません。
この物語では普通の人には幽霊とか悪霊は見えないので、主人公の力は有利と言えば有利なのですが、普通のホラーなら被害者側になりかねない程度の能力です。
実際、物語中で何度も怪我の為に入院してます。
「紫の銃」というアイテムだけが敵にダメージを与えられるものの、残念ながら主人公には使えません。それを使えるのはヒロインで、やっぱり普通の女子高生だし「紫の目」がないので彼女には敵が見えません。
死者が出るほどのヤバイ事件が起きているとは言うものの、まさか幽霊や悪霊の仕業なんて普通の人は考えない世界なので、警察なんかが主人公の手助けをするなんてこともありません。
ただの高校生だから事件を調べるのもせいぜい図書館だし、情報を集めるのも地道な聞き込みがほとんどです。
無理ゲーです。
どう考えても普通の高校生には無理です。
主人公も犯人が変質者なら警察に任せていたでしょうが、事件と霊の関係を把握しているのが自分達しかいないので仕方なく頑張ります。
責任感だけは強いので、知らないふりが出来ずに満身創痍で戦います。
地道に自分達の足で情報を集めて、敵の行動を予測して、ギリギリの駆け引きを繰り広げます。
痛快アクションバトルなんてことはなく、いつも辛勝です。
事件が終わっても悪い奴をやっつけたという爽快感はなく、世間の賞賛を浴びることもありません。主人公が戦うことにあまりにもメリットがないので、読み終わるとただ主人公を静かにねぎらいたくなります。
なんといいますか、これは是非ともジュブナイルと呼びたい!
でも若い子より、社会に出て無理難題押し付けられて困った経験のある大人達の方がより味わえる作品だと思います。
いっそ三上さん自身がKDPで出版すればいいのに・・・