kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

「下ネタという概念が存在しない退屈な世界 三巻」発売

私はどちらかと言うと荒唐無稽な話が好きです。

どうせ読むなら日常的な話よりありえない話の方が好きです。

私がライトノベルをよく読むのも、それがジャンルではなく販売形態による区分だからだと思います。それっぽいイラストつけてりゃいいので、一般の小説のようなジャンルによる束縛が少ないんですよね。SFにしろ推理小説や歴史小説や伝奇にしろ、ジャンルが存在すると当然そのジャンルの作法に縛られる訳で、それを一概に悪いとは言いませんが意外性はどうしても少なくなります。

勿論ノンジャンルにもデメリットはあって、なんでもありであるが故に個人のストライクゾーンから外れる可能性は高くなって、その結果ライトノベルはつまらないものが多いという偏見の温床になったりする訳です。

 

いやライトノベル論をうだうだ書きたい訳ではないのですが、今日は先に真面目な一面を見せておきたい気分なのです。

そんな訳で「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」の三巻がついにkindleでも発売されましたね。

ふざけたタイトルと表紙ですが、案の定内容もふざけてます。

でも設定はなかなか渋いんですよ、コレ。

徹底的に思想が規制された社会とはどうなってしまうかを詳細にシミュレートしてます。規制されているのはエロ関係なのですが、出版・報道・ネットは当然のこととして、PMという携帯電話が進化した端末で個人の行動もばっちり規制されております。禁止ワードを口にすると通報されるだけでなく、手の動きも監視されててエロ関係は書くことも描くことも駄目。

そんな社会が十数年にわたって続き、エロから隔離されて育った子供たちはその概念すら喪失しています。彼らにとっては下着すらもはや着衣の一部でしかなく、ただの布切れでしかありません。満員電車でお尻を触られてもそれが何を意味してるのか分かりません。

そんな環境で育った彼らの歪んだ衝動とその開放の為の闘争を描いたのが一巻。

思春期に突然エロが規制された青年世代の社会への報復と少年達との抗争を描いたのが二巻。

この三巻では規制時に既に大人だった世代がどう社会と折り合いをつけてきたのかが描かれています。

 

同じレーベルだと、耳刈ネリルが好きな人ならこれも気に入ると思います。

表紙とタイトルで引いてしまう人には薦めませんが、大真面目に馬鹿なことやってるのが好きな人は読んでおくべきですよ。