京極夏彦怪談シリーズ
前回のカドカワセールの時に購入した京極夏彦さんの本なのですが、ようやく読み終わったのでまたセール中だしせっかくなので感想など・・・
「嗤う伊右衛門」
「覘き小平次」
「数えずの井戸」
これらは古典の怪談をリメイクしたということなのですが、私はあまり怪談に詳しくないので「嗤う伊右衛門」の元ネタの四谷怪談のお岩さんと「数えずの井戸」の元ネタの番長皿屋敷のお菊さんは知ってたものの、「覘き小平次」の元ネタは知りませんでした・・・
そのせいかもしれませんが、私には「覘き小平次」が一番楽しめました。
初めにぶっちゃけますと、怪談を元ネタにしているだけでホラー小説ではありません。しかも一冊完結の読みきりではあるのですが、百物語シリーズのキャラがけっこうがっつりと出ています。
特に「覘き小平次」では事触れの治平が長々と語る場面があって、治平ファンには貴重。
ただ百物語シリーズのキャラが出てくるものの、お話の構造はまるで違います。
構造的にはむしろ「姑獲鳥の夏」のシリーズに近いというか、誰も憑物落としをしなかったら最後はこんなふうになるんだろうなという感じなので、かなり読む人を選んでしまう内容でしょう。
でも「覘き小平次」は治平と又市が初めて組んだ仕事も語られていますので、百物語シリーズのファンなら読んでおいて損はないですよ。
セール中だからこそのお勧めです。