kindle沼日記

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けんぽーかいしゃく

相変わらずニュースを見ていても楽しくなるようなことは何もないんですが、安全保障関連法案について衆院憲法審査会の憲法学者が「違憲」と判断したのはちょっとほっとする出来事でした。

 

ぶっちゃけ今の世の中なんて変化が激しいし、第二次大戦のころよりプレイヤーの数も使えるカードの種類も段違いに多いので、どうやれば正解かなんて誰にも分からないでしょう。安全保障関連法案の通りにしていたら良かったと思えるような展開もあるかもしれません。
ただ「俺がそう思うから集団的自衛権は正しい」というのは論外です。
やりたいならきちんと憲法改正してからやってくださいと言うのが私の意見です。

 

これは外交とかそう言うレベルの話じゃないんですよ。
もっと単純に、組織と個人の関わり方の問題です。

 

例えばですね、「俺のポカリを買って来い」という部活の先輩や、「煙草買って来い」という会社の上司とか居るじゃないですか。
ああいう人達が何故存在するのかということですよ。

 

部活の先輩とか会社の上司が下級生や部下に指示を出すことが許されてるのは、その方が組織として効率的だからですよね。経験のある人が経験のない人を指導したり、複数の人が同じことをやって無駄が発生しないように個別に指示をだしたりする為です。それぞれが勝手にやるよりずっと効率的に経験を積んだり、よい結果を出せる作業が出来る訳ですね。

 

ところが、世の中には組織という形態を認識出来ない輩が存在します。
残念なことにたくさんいます。
だから組織から与えられた役割を理解出来ず、権力=自分自身の力と誤認して公私混同した指示を平気で出すのです。

また社会という大きな群れを知覚する能力に乏しい彼らは、何か自分に都合の悪い出来事が起きた時も、それは誰かが自分に悪意を持ってるからだと判断しがちです。試合に負けたのはあいつが悪いとか、企画が通らなかったのはあいつのせいだとかいうのですね。
それが正しいこともあるかもしれませんが、大抵はただの被害妄想でしかありません。
冷静に判断して敗因を探れば次の勝機につながりますが、彼らにはそれが出来ません。彼らにとってはその妄想が現実なのですから。
すぐに陰謀論を持ち出す人達がその典型です。

 

自分が正しいんだから自分の判断は正しいという輩が権力を持つと悲惨なことにしかなりません。
ポカリや煙草を買って来いという程度なら可愛いもんです。
最終的には、自分が正しいんだから間違った奴は殺した方がよいというところに落ち着きます。日本赤軍オウム真理教だってそうでしたし、そもそも大日本帝国がそういう国でした。
まともに戦況が判断できず、「俺が勝てると思うから勝てる」という馬鹿な妄想で戦争を激化させて、逆らう人達は当然憲兵に捕まってお陀仏でした。
今の中国と同程度の酷い国だった訳です。

 

まあ自分を客観的に見るなんてのを完璧に出来る人なんて存在していない訳ですが、今までの憲法解釈を自分の思い込みだけで反故にできると考えているようなのがトップにいるというのは怖いですよね。
自分が正しいから武力を使うって人が近くにいるということは、その人に逆らったらその武力をこちらに向けられるってことなんですから。
中国共産党が一番たくさん殺しているのが中国人ってことを思い出してくださいよ。
選挙公約を簡単に破り、今までの憲法解釈すら捻じ曲げてしまう輩が、自分に逆らう人を同じ日本人だからという理由で許すとはとても思えないんですよね。遠くに居る侵略者より、近くに居る独裁者の方がずっと怖いのです。
大阪市長の橋下さんが「民主主義は素晴らしい、負けても命を取られない」って言ってましたが、ホントそれは大事です。
多数決でなく「俺が正しいと思うから」という理由を強制するような奴に権力を持たせたら、それはもう戦前の暗黒社会に逆戻りでしかないと私は思います。

 

一番の問題は、そんな暴走集団を選挙で選んで何の反省もしない連中なんですけどね・・・

民主主義という器が凄くても、中身が腐ったみかんじゃどうにもならないということですね。