kindle沼日記

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コンピュータは魔法を使いません

私はIT系の職業をしているのですが、この時期によく言ってたのが「コンピュータは魔法を使いません」です。

まあ、新人さん相手に使うことが多かった訳です。

 

いろいろと便利なコンピュータですが、実は人間の言うとおりにしか動かない頑固者です。ところが便利さばかりに気を取られて、使うこと一辺倒になってるとちょっとした勘違いをするようになるんですね。つまり奴らが人間以上に賢かったり、人間以上の能力があるのではないかと・・・

 

コンピュータがチェスのチャンピオンに勝ったとかいうニュースがたまにありますが、あれはチェスのチャンピオンとプログラムの設計者の知恵比べであって、人間と人間の勝負です。そりゃコンピュータの処理速度が速いほうがいいですが、あくまで道具でしかない訳です。昔ながらの家具職人と電動工具を使う家具職人で、どちらの作った家具がいいかを勝負するのと同じです。電動工具が家具を作るんじゃなく、結局は職人さんのセンスの問題でしかありません。

 

例えば検索エンジンで「カメラ 価格」と入力してリターンキーを押すと、ずらりと関連サイトのリストが出てきますよね。「カメラ 価格」と入力してるのはあなただし、関連サイトはそれぞれのサイトの管理者がデータ入力してて、それを表示するというプログラムを検索エンジンの開発者が作っている訳です。

もちろんカメラの情報が欲しいのに「ガメラ 価格」とあなたが入力間違いをすればカメラの情報は手に入らないし、サイトの管理者が全員ガメラの表記をカメラと間違ってサイトを作ってたらあなたが正しく入力してもガメラの画像が表示されてしまう訳ですよ。

いやそもそも検索エンジンの開発者が馬鹿なら何も表示されないかもしれません。

 

コンピュータを使うには大まかに次の三つが大切です。

1.コンピュータに正しく指示をだすこと

2.指示されたことを正しく処理するプログラムをつくること

3.そのプログラムが利用するデータを正しく登録すること

この3つのどれが間違っていても、正しい結果を得られない訳です。

 

パソコンに慣れていないおじさんやおばさんは1が理解できないことが多いんですよね。マウスの使い方が分からなかったり、タッチパネルが理解できなかったりでいろいろと大変です。

逆にネットを普段から使ってる層は3の存在を忘れてたり軽視しがちなんです。

まあネットではいろんな情報をどこかの誰かが登録してたりするから殊更意識する必要はないんでしょうね。

コンピュータは魔法を使えないので、必要なデータはすべて人間が登録してあげないといけません。そのデータをプログラムの開発者が用意するのか、プログラムを使う人が入力するのか、または第三者が既に登録しているものを利用するのか、その切り分けが始めのうちはなかなか出来ないというか、すべてのデータが初めから登録されていると勘違いしてる子も多いです。

そう言う勘違いしてる子に、「登録されてないことを扱うことはできないよ、それは魔法だから。コンピュータに魔法は使えないから」なんて言ってた訳ですよ。

 

魔法云々はそもそも海外で凄腕のハッカーを魔法使いと表現したのが元だったと思うんですが、そもそもどうして使い始めたか記憶にないくらい昔から使ってるので、ぶっちゃけよく分かりません。ただ自分で使ってるときには気がつかなかったんですが、人が使ってるの聞いたらちょっとそのなんて言うか・・・恥ずかしいんですよ。特に後輩が新人教えるときにドヤ顔で「コンピュータは魔法を使いません」なんて言ってるの聞いたら裸足で逃げ出したくなるくらい!

まだ新人さんはまとめて研修中で各部署には配属されてませんが、そろそろそんな季節がくるかと思うと憂鬱です。過去の出来事を消去できる消しゴムとか、どっかに売ってませんかね?