kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」五巻を読んで

角川のセールで買い込んだ電子書籍が大量にあるので、新刊のチェックが遅れ気味の今日この頃。やっとこれの五巻を読み終えました。

 

相変わらず内容的は周りの人に覗き込まれたら社会的に危ない立場に追いやられそうなのですが、さすがに五巻目ともなると読む側にも耐性がついてきたのかあまりインパクトは無いですね。ストーリーも大きく展開してるんですが、妙にマンネリ感が漂います。

下ネタを規制する側、それに反抗する側、いろいろな立場の人間を描いてきたシリーズですが、今回は下ネタを規制することが子供達の為になると心から信じている主人公の母親が登場します。でもこの人、キャラは濃いんだけど動機が薄めなんですよね。他が本能というか性欲まっしぐらなキャラばかりなので、どうにも全体像がぼやけがち。

後はキャラの関係性が大きく変わることも無く、ラブコメでいうところの引き伸ばし状態に陥ってるのもアレですね。

 

ただストーリーの方は本当に大きく進んでいるんですよ。

ナチス批判のニーメラーの「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき」の詩でいうと労働組合員くらいまで進行してます。話の内容自体は間違いなく馬鹿馬鹿しいんですが、権力とメディアを使った言論統制の恐ろしさもきちんと書かれた迷作です。嘘つき首相が耳障りのよいことばかり言うこんな時勢にこそ、一読をお勧めしたい一品ですね。

 

ええ、このシリーズを手に取った所を誰かに見られて、社会的にまずい状況に陥っても私は何の責任も取りませんよ?