kindle沼日記

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「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル」見てきました

先行上映されてる「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル」見てきました。

 

初めに言っておくと、私はガンダムでシャアを主軸にするのは負けだと思ってます。だからキャスバル主体の物語自体に対して評価が低いです。

それを踏まえてどんな感じだったかと言うと、「笑ってはいけないズムシティ24時間」でした。

 

ORIGINって安彦さんのあの独特な筆のタッチに頼ってるとこが大きいと思うのですよ。それを身振り手振りに顔の表情の動きそのままで、すっきりとしたセル画にしちゃったから、画と演技があっていないような違和感がありました。CMとかで海外の映画のワンシーンに変な日本語を当ててるやつがあるじゃないですか、あんな感じです。

 

メカの方はCGでよく動いていたんですが、今どきだとそのくらいじゃ驚きも薄いですね。最近は人物のCGがもう手で書いたのと変わらないレベルで演技してるのもちょくちょくありますので、メカの方もただCGモデルを動かすだけでなくもっと日本のアニメっぽい演技に挑戦してほしいところ。
ビルドファイターズやGのレコンギスタと比べちゃうとねぇ・・・

 

さて私がなぜシャア主役に難色を示すかを最後に語っておきたいと思います。
ガンダムってそれまでのアニメに比べると、正義とか悪とか単純な価値観にとらわれてないとよく言われてますよね。
それはアムロが主役だったからです。彼はジオンが憎くて戦っていた訳ではないし、連邦が正しいとも思っていませんでした。
じゃあ何の為に戦っていたのかというと、ジャブロー以降はよく分からないんですよね。
なにせアムロのことを一瞬で理解したララァが「何も守るべきものがないのにどうしてそんなに戦えるの」って驚いてたくらいですから。


ガンダムっていうのは、戦争で住む場所を追い出されて難民になった少年が、自分の帰る場所を見つけるまでの物語なんです。だから正義とか悪とか関係ないんですよ。
ただそれは打ち切りとかいろいろな要素が絡まって結果的にそうなった部分も大きいので、スタッフの方もあまり意識してない人が多いと思います。それでガンダムを考える時に、アムロってよく分からないという感じになっちゃう。Zの時に富野さん自身その辺分かってないみたいでしたからね・・・

 

それに引き替えシャアは親の仇討ちにニュータイプによる理想社会の実現とか、自分から動く動機がたくさんあるんですよね。だから分かりやすいし動かしやすい。

でもそれはガンダム以前のアニメにもよく居たキャラで、わざわざガンダムでやらなくてもいいんですよ。シャアをメインにするっていうのは、ある意味ガンダムによって生み出された新しいものの否定なんです。


古いタイプの物語から抜け出せないオールドタイプのあがき、それがシャアの物語ですから・・・