kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

「北欧女子オーサが見つけた日本の不思議」を読んで

外国人から見た日本というテーマ、いろいろ再発見が多いので私は好きなのです。ほら、習慣化してる行動って当たり前になり過ぎてなかなか客観的に見れないじゃないですか。そーゆーとこに気づかせてくれるのがよい訳です。

ただ最近は日本はこんなに凄いみたいなことを連呼するだけの、いわゆる愛国ポルノというのが氾濫しているのでうんざりしていたんですよね。
この本も愛国ポルノを絶賛濫造中のNHKで紹介されていたので(しかも他の愛国ポルノ作品と一緒に)無視していたのですが、実はフラットな内容だと教えられたのでkindleのポイント還元セールに乗っかって購入しました。

 

いや実際にね、職場で凄い仕事の出来る人が実は東大出身だったと後から聞いたら東大凄いなと思いますけど、仕事も碌に出来ないし勤務態度も悪い奴が聞かれもしないのに自分は東大出身だと吹聴してたら、軽蔑しか出来ないでしょ。
日本にも凄い所は確かにいろいろあるとは思いますが駄目な所もまだ多い訳で、どう見てもその凄い所に貢献していない人達が日本は凄い凄いと騒いでもねぇ・・・

 

この本はやや偏っている上にリップサービスも多いとは思いますが、スウェーデン人から見た今の日本と自国の違いを描いていて面白かったです。
特に食事に対するスウェーデン人の健康志向が、あちらはやっぱりいろいろ細かいんだなぁと・・・

 

序盤におにぎりの袋の開け方が分からなかったという話がありましたが、アレが出た当時はガンガンCMでやり方流してたにも関わらず、いざ実物を前にすると開けられなかった人がいっぱいいましたからね。初めて見た人が分からないのも無理はありません。
日本が便利な国になってきたのはここ二十年程のことなので、不便な頃を知ってる身としては苦笑いです。

そもそも成人女性を女子と言うのも最近のことですしね・・・

 

作者のようにアニメとかの日本のソフトパワーが凄いという人は結構いますが、これも一過性のものだと最近強く感じます。
古くからの先進国では、人権やらなんやらにいろいろと配慮する体制が既に出来上がっていて、悪い奴を凄い力でやっつけて終わりみたいなお話を大人達が真面目に作るような土壌はもうないのでしょう。
でも人はいきなり賢くなる訳ではありませんので、そういう国で育ってても若いうちなら単純で分かりやすいお話の方が受ける訳です。
成熟した国ってのは、若い人にはつまらないんだと思います。


日本は最近になってようやく先進国に仲間入りした国なので、まだ乱雑で乱暴で分かりやすい単純なお話もそこそこ作られていて、そういうところが成熟した国に馴染みきれていない若い人達や、馴染めなかった懐古主義者に受けている状態なんだと思います。
このままどんどん成熟していけば、そうした物語も作られていかなくなって、日本の若者も海外のまだ成熟していない国に憧れていく時期が来るのでしょう。
ちょっと前の韓流ブームが、バブルの時期を懐古する層とバブルを知らなかった層に受け入れられたみたいに。
あれはマジにバブル時代の文化の再現でしかなかったので、バブル期同様に飽きられるのも早かったですが・・・

 

でも私はセーラームーンプリキュアのように子供ばかり戦わせて大人は何もしない少年兵養成物語を作り続ける日本より、プリパラやビルドファイターズのように子供の成長を回りがしっかりサポートする物語を作り出す日本の方が好きなので、このまま日本もどんどん成熟した国になってほしいと願ってます。

「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」なんてマジ名作でしたしね。

 

ちなみに作者さんはウテナも好きだったようで、そこが一番共感できました。
私が一旦は卒業していたアニメに再び目覚めた原因は、ナデシコウテナなので・・・
ナデシコウテナ→ガラサキ→ターンA→デジモンという感じでどんどんのめり込んでいった気がします。