kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

森 博嗣著「作家の収支」を読んで

年末から風の大陸全巻を読むという苦行に疲れて一旦中断し、「すべてがFになる」シリーズを読破するという荒行に心を挫かれて途中で投げ出し、気軽に全刊購入なんてするもんじゃないなと心に誓った今日この頃。

軽くエッセイ的なものでも読んで気分転換しようということでこの本を手に取りました。

 

「すべてがFになる」シリーズを読んでその趣味の悪さに辟易とさせられたんですが、この本ではその悪趣味さがいい感じのスパイスになっています。
どのシリーズがどれくらい儲かったかを赤裸々に書いているのですが、露悪さとか無関心を装いつつ自慢したい下心とかの綱引きがけっこうキテますね。カラ松の服を着てポーズをつけている一松を、物陰から覗いてニヤニヤするような気分になれる一品です。

カッコつけていない、自慢していない、ただデータを粛々と公開しているだけ・・・言えば言うほどドツボにはまっている訳なんですが、そこは気づかなかった振りで済ましてあげましょう。


「すべてがFになる」の原作を読んで犀川・西之園コンビにうんざりした人なら、これは逆に楽しめるでしょう。ああやっぱりこの作者ってそーいう人だったんだという感じで・・・

相手の趣味の悪さを心の底から侮蔑して楽しめる性根の腐った大人にとっては、極上の貴腐ワインのようなシロモノです。実に心地よい・・・

 

こんな感じで西尾維新さんの話とかも読みたいです。

幼女のことは別に好きではないと主張する西尾維新、ただ収入を得る仕事として幼女のことを書いているだけと言い続ける西尾維新、幼女を書くことでどれだけ幼女のファンが増えるかを粛々と検証する西尾維新・・・半分以上が幼女の話だけで終わりそう・・・