ベニー松山著「隣り合わせの灰と青春」を読んで
kindle Unlimited で見つけたので懐かしくて読んでみました。
懐かしいと言っても、きちんと読むのは今回が初めてなんですよね。
元ネタのウィザードリィはファミコンで狂ったようにプレイしていたんですが、それ故にこちらの小説の方は世界観が自分のイメージと違うので途中で投げ出していたのです。
まだインターネットも普及する前、ゲームの情報と言えば書籍と伝聞しかなかった頃です。
ウィザードリィのようなマニアックなゲームは友人と語り合うことも少なく、それ故に個々で考えた俺設定が特に強かったように思います。
私はキャラの名前とか考えるのが苦手だったので、何故かキャラに国名を付けていましたね。
アメリカが戦士でフランスが僧侶でジャパンが侍でイギリスがビショップみたいな。
そりゃ他の人の考える世界観とは一致しないわな・・・
それからウン十年、もうゲームをしていた記憶もおぼろげだし、いろいろと許容範囲も広がったおかげでこのお話も昔と違って楽しく読むことができました。
これも成長というものですかね・・・
作中で使われてる呪文とか武器の名前とかはゲームに準じているのですが、ウン十年前のことでも意外と覚えているもんですね。
当時は同じような効果でもゲームによって呪文が違うので統一してほしいと思っていたものですが・・・
そんな読んだことはないのに懐かしさが詰まった一冊ですが、あえて苦言を呈すると「青春」って言葉の瑞々しさがほとんど感じられないんですよね。
登場人物には確かに若者が多いんですが、なんというかおっさんくさい連中ばかりで・・・
まあ若者らしい万能感に任せて突撃したら一発で全滅するような世界なので、そこら辺は仕方のないことかもしれませんが・・・
この話ではトップクラスの冒険者が最後の難関に挑戦する姿を描いていますが、初心者が限られた予算の中で装備を選んだりダンジョンの入り口付近でモンスターに苦戦するような話も読んでみたいですね。
というか、そっちの方が最近の主流ではあるのですが・・・