天地明察と光圀伝を読んで

まあこれもカドカワのセールのときに買っていた訳です。

 私、歴史小説はあまり読まないというか、読んでもそのことは黙っておくことにしてるんですよ。なんていうか、歴史小説を語ろうとする連中がウザイので関わりたくないんです。ほら、よくいるじゃないですか。坂本竜馬が好きだとか宮本武蔵が好きだと言ってるからよく聞いてみたら単に司馬遼太郎や吉川英治の影響を受けただけというか、もっと酷いとバカボンド読んでるだけとかね・・・

ようはアニメの女性キャラを俺の嫁とか言ってる連中と大差なくて、現実と創作の区別が付かない人達なので、いちいち相手にするのが煩わしいわけです。

そういう連中って歴史上の人物を語る自分はアニメを語る奴らより上みたいに思ってるのが多くて、学生時代に一度坂本竜馬好きという奴の無知さと作家の創作部分を真実と思い込んでる愚かさを暴き出してボロクソにこき下ろしたことがあるんですよ。その時勢い余って坂本竜馬なんて維新後に土佐出身の連中が持ち上げただけ云々と竜馬批判までしちゃって、それを横で聞いてた友人から「徒歩で日本中を駆け巡った人をそんな風に批判するのは駄目だよ」と諭されまして、確かにその時その場所で一生懸命頑張っていた先人を、後付の知識だけで批判する自分も非常にかっこ悪い訳です。

そんなことがありまして、それ以降歴史本については迂闊に語らないよう自重しているのです。

冲方さんについては、「ばいばいアース」はけっこう好きなんですが「マルドゥク」は好みじゃなかったので、評判になっているのは知っていたもののスルーしていたのですが、読んでみると凄く面白いですね。なんといいますか、冲方さんは設定を作りこみすぎるタイプなので、時代検証という縛りがあるくらいの方がいいような気がします。

どちらも同じ時代のお話で相互補完しているので、まだ読んでない人は連続で読むことをお勧めします。個人的には光圀伝→天地明察の順に読むのがいいと思いますが、どちらを読んでもどちらかのネタバレになるので、ネタバレ要素を少なくしたいなら刊行順の方がちょっとマシですか。

この時代の話をもっと書いて、どんどん冲方流に過去を再構築して欲しいですね。出来れば一般庶民の話も読みたいですが・・・その辺はもう少し後の時代の方が面白いのかなぁ。

ところで「シュピーゲル」シリーズはどの順から読めばいいか分からないんですが、どうしよう・・・