kindle沼日記

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アニメ「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」終わる

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」が今季のアニメの先頭を切って終了しましたね。
やっと終ってくれましたね・・・

 

正直このアニメはつまらなかったと思います。
天災ちゃんが喋っているシーンだけが唯一の癒しで、何の伏線もなく後で明かされる仕掛けの数々と自己完結しちゃってる主人公のおかげで話の展開はお粗末なものでした。

 

これの原作は新人賞の受賞作でしたが、文章も話の運び方も設定もそれほど見所のあるものではありませんでした。既存の作品の何所から影響を受けたのかが、そこそこ最近の作品を読み込んでいる人ならすぐ分かるレベルです。ぶっちゃけ他の受賞作の方が文章も話の展開も設定の独自性も勝っていました。

 

じゃあなんで選ばれたんだよという話ですが、審査員の目が節穴だった訳ではなく熱意が認められたんだと思ってます。確かに下手な小説でしたが、「自分はこーゆーのが好きなんです」という思いがあちこちから滲みだしている作品だったんです。

他の受賞作はたしかにそこそこの技量を感じるんですが、「最近はこーゆーのが流行るんでしょ」という感じでした。
言ってみれば、総理大臣になったら何をするという質問に瞳を輝かせながら「世界平和を実現したい」という小学生と、冷めた目でそこらの政治屋の主張を引用する中学生という感じです。夢をそのまま実現するのは難しいだろうけど、君はそのまま成長してくれという願いを込めての受賞だったのではないかと思うわけです。

 

そんな作品をそのままアニメかするなんて、ちょっと考えられません。
夢見る小学生をいきなりサミットへ連れて行って、今すぐ世界を平和するよう交渉してみろと恫喝するようなものです。成長を見守るどころか、若いうちに叩き潰してしまえという愚挙に他なりません。

このアニメだって重護の家のことを初めに説明しとくとか、重護と七々々の会話を増やすとか、どんな七々々コレクションを誰が持ってるのかをキャラが使う前に説明しとくだけで随分見てる側のストレスが減ったと思うんですけどねぇ・・・

重護は隠し事が多すぎて書く側に余程の技量がないと主人公としては成立しないキャラなので、いっそ天災を主人公にして再構成するくらいしてもよかったのに・・・ええ、当然原作でも彼は主人公として成立してないんですよ、そんなの読んだらすぐ分かることなんだから、後発のアニメならいくらでもフォローを入れることは出来たはずなんです。

 

これのスタッフはそんな物語を面白くする為の努力を捨てて、ゲームとか他作品を劇中のテレビに映すことで話題を集めようというセコイことしかしてないんですよ。

昔は原作の良さがわからないと言ってスタッフが内容を大幅に改編していたのが、最近は原作の良さが分からないけどそのままにしとこうというスタッフが増えた訳で、ファンの立場からすると原作の良さが分からないんなら関わらないでくださいと言いたいです。

 

元からのファンも新規の視聴者も誰も幸せにならない嫌なアニメ化でしたね・・・