kindle沼日記

電子書籍のことを中心にまったりとやっていきます

第二十回電撃小説大賞

第二十回電撃小説大賞の受賞作がkindleに来てたので、読んでみたのですよ。
私は毎回電撃小説大賞は全部読むことにしてるのですが、去年はkindleに来なかったので読まなかったんですよね。
電撃小説大賞って毎年1つか二つはコンスタントにお気に入りな作品があるんですが、最近は数が増えたせいでハズレ率も高くなって紙の本には手を出しにくい状況。その本が面白くなかった時の為の予備の本が面白くなかった時の為の予備の本・・・とか考えてると五冊くらい持ち歩くことになるので、さすがにうんざりしてたんです。
まあ最近のハズレ率が高いのは新人賞だけの話でなく、業界全体の問題なのですが・・・

 

kindleなら予備を十冊保持してても苦になりませんから、片っぱしから買うのに躊躇はなくなりました。そんな訳で二年ぶりに読んでみた新人賞なのですが、良くも悪しくも普通という感じ。五冊中三冊は最後まで楽しく読めました。

 

そもそも電撃小説大賞ってお行儀のいい作品が多いんですよ。作風的には平井和正菊地秀行でなく、新井素子水野良というイメージ。
それが選ぶ側の問題なのか、応募する側の問題なのかはよく分からないですが、応募作の数から見るにたぶん選ぶ側が冒険してないんでしょう。他の新人賞みたいに怪作とか奇作とか問題作みたいなのが紛れ込む余地が少ないと思います。

 

電撃小説大賞も二十回目ということで、一回目と比べるとさすがに表現力とか構成力とかの文章作成レベルが高くなりましたね。ネタに関しては後発になればなるほど未開拓のジャンルが少なくなるので、新鮮味という意味ではかなり不利だと思いますが、後発である分ことを生かしてじっくり熟成させたり切り口を変えて攻めてみたりと技巧を凝らした作品も多くて、それがまた新人賞らしからぬ感じになっちゃうんですよね・・・

 

そんな冒険しない電撃小説大賞ですが、今回は青い背表紙のレーベルの新人賞とイメージが被る作品をわざわざ選ぶのはちょいといただけませんね。後発であることを生かしてじっくり熟成させたって訳でなく、切り口もむしろ青い背表紙の方より普通になっていて、ホントどうしてそれを選んだのかと不思議です。
批判するなら最後まで読まなくちゃと思ったけど、最後まで読むほど気力が続かなかったので中身についてはとやかく言いませんが、あのイカれた内容を本にしちゃう青い背表紙の冒険心を土足で踏みにじるような行為はいかがなものかと思います。

 

いや、あれを上回るほど冒険したらもう出版は不可能だとも思いますけどね・・・