桜玉吉著「日々我人間」を読んで
kindleの日替わりセールでお安くなっていたので買ってしまったのですよ。
私が桜玉吉さんに出会ったのはアフタヌーンで連載していた時でした。
現実と妄想が入り交じったエッセイ風の連載で、ゲームの宣伝マンがのはずなのにゲームの話がほとんど出ないという自由なお話だったのです。
この本は日記漫画で、五十代の作者のだらだらとした日常を肩肘張らずに書いているように見える漫画です。
前半は東京の漫画喫茶に入り浸っていて、後半は伊豆の片田舎の古い家に引っ越したお話。
毎回毎回ホントにくだらない話で、こんな風に自堕落に過ごすのもいいかなと、なんだか不思議に楽な感じになれる感じ。
このユルイ生き方というか芸風はホントいいですね。
私には田舎暮らしは無理ですが、漫画喫茶生活はちょっと憧れてしまいます。
ただこれを素でしているかというと、後書きでさらっと漫画喫茶生活での苦労を吐露していたりして、やっぱり楽園なんかこの世にないんや・・・
好き勝手やってるようにみえて、余計なものを切り捨てて世間から求められているものをお出しするプロ作家の意地を感じさせてくれる一冊です。