kindle沼日記

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ミニスカ宇宙海賊12 モーレツ終戦工作」を読んで

ようやく「ミニスカ宇宙海賊12 モーレツ終戦工作」を読み終わったのですが、前からずっと続いていた過去編というか独立戦争関係の話が一気に収束していて、シリーズ物の醍醐味を感じさせてくれる一冊でした。中盤で茉莉香が宣戦布告するシーンは、さすがに気分が高揚します。もうアニメの方とは完全にパラレルになっちゃったけど、あのシーンはアニメでも見てみたいなぁ。

 

物語自体も面白いんですが、作者の成長も凄いですよね。
デビューは謎の秘密組織に対抗する高校生の「妖精作戦」ですが、あの話での高校生達は相手の行動を見て対応していたんですよね。それがミニスカ宇宙海賊の女子高生達は相手の行動原理を見て対策を練るんですよ。
この辺は戦術と戦略の違いというか、妖精作戦の頃は相手のルールの隙をついて出し抜こうとしていたのが、ミニスカ宇宙海賊ではルールそのものを変えちゃう感じ。サッカーに例えると、コート上で相手の選手の動きを予測するのが妖精作戦、相手の有力な選手が出場できないようにロビー活動するのがミニスカ宇宙海賊というところでしょうか。相手の目的とこちらの目的を擦り合わせてお互いが納得できる妥協点を見つけるという、交渉役的な立ち回りなんです。

長い作家生活の中で状況をより多角的に構築する手法を身に着けたのでしょうね。


手段に熱中しすぎて目的を見失いがちな今日この頃なのですが、ちょっと自分も目的を見直そうという気分ににれます。そう、楽しいからゲームをするのであって、ストレスが溜まるようなプレイするのはNOなんだからね・・・

 

それにしても宇宙文明築くほどの科学力があるのに、わずか百年前の独立戦争の記録が曖昧になってたという理由が今回明かされましたが、あれ絶対帝国のデータベースに茉莉香のこと残ってますよね。茉莉香の海賊の免状を継承する時、やたらあちこちの情報部が出張ってたし、帝国側も既に茉莉香のことには気付いてるんでしょうね。
次巻からはその辺りの話になるのかな。

いろいろと楽しみです。